ぬじろぐ

好きなゲーム発表ぬこちゃん

映画 刀剣乱舞 継承を見てきた

見てきました。ので、忘れないうちにメモ。
最近Huluで韓流ドラマばかり見ている母を道連れにしようと「イケメンがたくさん出る映画だよ」と誘ってみたのですが、イケメンでも180以上の高身長でないとダメ、SF・ファンタジー要素ダメ、特撮ダメ、少女漫画みたいな恋愛要素なしはダメ、と全く釣れませんでした。
チッ( ΦωΦ)、
ええそうです。女性向けゲームとなっておりますが、刀剣乱舞はいわゆる女性向けとされる恋愛などの要素が全くないんですよね…
女性向けな部分が「多種多様なオモシロイケメンが出てくる」以外無い…

ちなみに本編前のCMで気になった翔んで埼玉も誘ってみたけど「ギャグは見ない」とすげなく断られた(何だったら見るんだよ)ので1人で見に行きます…話が逸れた。

前知識

ゲームの刀剣乱舞はサービス開始の初期の初期に少しだけやってました。
キャラクターのボイスが一言二言あるくらいでシナリオらしいシナリオがないゲームなので、長く続けられなくてやめてしまった…という経緯があります。ダメ審神者ですまん…
ですので、初期実装キャラクターと基本的なゲームシステムくらいしか理解してません。
その後の動向はツイッターでフォローしてる範囲で交わされる会話からざっくり把握してる程度。

特撮は完全に素人。子供の頃に人並みに見てた程度ですね…ジャンパーソン、ブルースワットが好きでした(今回の話には関係ないです)

映画は、元々2.5次元にあまり興味がなかったので最初はフーン映画化するんだー(でも見に行くのめんどくさいな…*1)と思ってたのですが、ツイッターの反応から脚本が特撮界隈で良い話を書くことで有名な人*2らしいぞという事と、「どうせファンなら何でも見るから原作の雰囲気に合わなくても売り出し中のアイドル出しとけ」的なテキトーなこと*3をしないであろうという信用があったので見に行ってみることに。

見ました

想像していたよりすごく良かったし、想像していたより特撮(というかニチアサ系?)だった…
そして話が面白かった。なんか普通に楽しんでしまった…原作にそこまで思い入れないのがかえって良かったのかな。

すごい、ストーリーがちゃんとしている…

「原作ゲームはシナリオらしいシナリオがないのに映画はストーリーがある、それだけですごい」という意味ではなく、原作知らなくても楽しめるだろうな、と思えるくらい物語としてしっかり作られてたと思う。
特にファンというわけでもないのにノベライズを買おうか迷ってるレベル…
歴史上の超有名な事件を題材にすることで初見の人も入りやすい、かつ歴史改変SFとして展開に驚きもあり、伏線がしっかり回収される…そして歴史を見てきた日本刀の付喪神が主人公という設定だからこそ説得力がある展開…
なるほど、脚本の人の名前を聞いた時点でみんながザワザワしたわけだ。

っていうか、こういうの本編でやってよ…そしたら続けてたよ…(その後FGOにはまった人間です)
でもかえって原作には濃いシナリオがないからいろんなメディア展開ができて、解釈違いが地雷な人も安心してゲーム続けてられる所もあるんだろうしな…うーん。まあここで言ってもどうにもならん話だ。

「原作ゲームの実写化」ではないんですよね。厳密には。
原作ゲームはマジでストーリーがないゲームなんで、ゲームを下敷きにしたほぼ新作というか…バトルシップみたいな…いや、原作ゲームがTRPGのルルブ…?

出だしからクライマックス。

第一印象、NHK大河ドラマとニチアサ特撮の融合って感じですね。
舞台や歴史上の人物が出てくると大河ドラマなんだけど、刀剣男士がメインのシーンや戦闘シーンはかなり特撮ヒーローものっぽい。
殺陣についても詳しいことはよくわからないけどかなり頑張ってた印象を受けました。
敵も味方の刀剣勢も、キャラクターに合った動きをしてたのが良かった。そうそう、大太刀って原作のゲームシステムでは敵をまとめて薙ぎ払う攻撃ができるんですよねえ。そういう細かいところが再現されてる演出で、原作知ってる人が「おっ」と思えるポイントが多かったと思う。
私はあまり熱心な原作プレイヤーではないのでその程度ですが、原作ファンはもっと嬉しいだろうなあ。

初見の人にもわかりやすい

私、舞台とか全く知らないし、ほんと基本的なことくらいしか知らないんですが、キャラの見分けがつかなくならない!というのは大事だと思う(ほんと大事)
よくね、見分けつかなくなるんですよ…特に顔のいい女や顔のいい男が何人も出てきたりするとさ…海外の映画でもよく見分けつかなくなる…でも今回のメインメンバーは戦隊ヒーローもの的な感じで色やサイズがきちんと分かれてるから、戦闘で目まぐるしく動き回ってても「ん?これ誰だ?」ってならない。

こんのすけが狛犬にアレンジされててキャラクターとしては出てこなかったり、遠征組の出番が最後の全員集合シーン以外なくて少し残念だったけど、映画としては多分その方がいいんだろうと思う。あんまりたくさんキャラが出てくると説明過多になって混乱しますからね。

原作ファンをとにかく喜ばせたいならチラッとでも顔出ししてゲームのセリフを喋らせる方がウケは良さそうだけど、あえてそうしないで本編に必要なキャラだけに絞ったあたりにプロ意識を感じる。
艦これのアニメはまさにこの「全キャラチラッとでもだして一言しゃべらせる」スタイルで、やたらとゲームのセリフを喋らせるので浮いていた…

あー、うん。思い返してみれば、ゲームのセリフを映画の中ではほとんど言わないんですよ。原作が少し決め台詞ボイスと掛け合いがあるだけで妄想で補完するタイプのゲームなのに、それをそのまま持ってこない。だけどちゃんとそのキャラになってる。

映画冒頭の説明があまりにもニチアサの特撮ヒーローものでフフッとなった。あの説明方法、優秀なんだなあ。

キャラクターをかなり原作に寄せてる

やっぱり二次元からの実写化っていうと、全然イメージ違う感じになってたり、次元の壁があるじゃないですか。
よくある実写化ものだと作る側もその辺を軽視してるのがあからさまだったりで萎えることがあるんですが、最近の女性向け2.5次元(舞台化が多いのかな?)では原作のイメージを壊さないことにかなり力を入れてるらしく…そっちの方面は疎いんであまり言及できないんですが
今回主人公ポジションの三日月宗近は古い刀で若者の見た目だけど中身は年寄りという設定なので、声優さんも結構特徴のある喋り方で演じてるんですね。それを実写化となると当然別人がやることになる訳ですが、映画を見てても違和感ありませんでした。
もともと2.5次元に苦手意識がある私が大丈夫なのはすごい。
その他諸々、作ってる側も完全にわかってる人たちだ、という信頼感がすごかった。

あとさあ…あの、私の気のせいだったらアレなんですけど、カメラワーク、やたら薬研の足を映しに来てない…?気のせい……?気のせいじゃないよね……足…
長谷部がすごく長谷部だ。
とにかく、こういう実写化ばかりだったら…実写化に対する不信感は募らなかっただろうに…

織田信長はここでも織田信長

織田信長…でしたね…(遠い目)
いえ、直前にFGO織田信長からチョコをもらっていたもので…織田信長はどこでも織田信長
役者さんの力あってのことだとは思うのですが。刀剣男士&時間遡行軍という特撮集団と歴史上の人物&モブ兵士という大河ドラマ集団、チグハグにならないのだろうか…?と思いきやそもそも織田信長がかなりのキワモノで、変な柄のマント*4羽織ってても「そういう人」として世間に認知されてるから誰も文句言わないし、特撮と大河ドラマの間に織田信長がいることによって感覚が狂ってどうでもよくなるという…第六天魔王すげえ…
これ冗談で書いてたんですけど、割とマジなのでは…?史実の信長は舶来品のマントや毛皮をコレクションしてたらしいし、大河でも普通にマント着用で出てくるよね…

あと豊臣秀吉の、野心に目覚めてしまった男の狂気というか…なんかそういう感じの演技も…すごかったね…
歴史上の人物パートにはベテラン俳優を持ってくるという所に本気を感じる。

例のアレ(ストーリーネタバレあり)

敵に洗脳されてた無銘の画面が割れて自分の名前を思い出す…って完全に特撮ヒーローものの文脈で胸熱ですね…!
刀剣乱舞は初期勢しか知らないんで、知らない名前だけど後から実装されたキャラなのかなーと思ってたらまだゲームの方でも実装されてないんですね。これは原作ファンへのサプライズってところなんでしょうか。
まあ、ここで知ってるキャラが出てきたら正体が判明するところでの驚きも減ってしまうからなぁ…でも、このキャラについてはもうちょっと説明がほしかったかも。なんで洗脳されて敵側にいたのか、とか…
途中で光秀の刀を見て正気を取り戻しかけたあたりで、正体の予想はついてしまうんですけどね。正体判明のところでちょっと唐突感があったのは否めない。
敵を倒すと何故か味方キャラがドロップするっていうのはゲーム内でも特に説明がないので謎な部分なんですが、それに対する1つの解釈と見ることもできるけど。

そのうち逆輸入的にゲームの方に実装されるのかな?なんて思ったり。

まとめ

面白さ:◎ 原作にはあまり興味ないけど普通に歴史ifとして面白い
不快度:0% 元が女性向けゲームなのでそれなりに気を使っているだろうと思われる
人に勧めたいか:〇 「脚本が小林靖子」で意味わかる人は見て損しない。原作ゲームやイケメンに興味なくてもストーリーがちゃんと面白い
再視聴:〇 もう1回くらい見たいが無理なのでアマプラで見る予定

*1:近所に上映館がなく、映画を見に行くのも一苦労なのです

*2:特撮ほんと素人なので全くわからん…けど、「小林脚本はクオリティには圧倒的信頼があるけど推しが死ぬのでは」と心配している人を見かけるあたり、特撮界の虚淵みたいな概念なのだろうか…?

*3:二次元原作をドラマ化されるなんていうとこういうことがあるので、完全に信用できなくなっているオタクである

*4:実家のカーテンって言われてて、見たらほんとにカーテンみたいな柄だった