スーパーの衣料品売り場に行くと、先輩（七味唐辛子の瓶）がいて、こんなところで珍しいなと思っていたら、大事なものをなくしたらしい。
一緒に探しますよと言ったら、妹の形見のスパンコールを探してほしいといわれる。
妹の形見のスパンコール1個。（星型・金色）
ちなみに妹は人間だ。
…とても大変だった。先輩は辛子瓶なので勿論喋れないし動けない。なぜ意思疎通できるのかもわからない。何の先輩なのかもわからない。
何もわからないが、確かにその世界では意志を持った唐辛子の瓶が存在しており、私の先輩なのだった。
とにかく、妹の形見を探さないといけない。
幸いスーパーはとても空いていて、床を這いずり回ってスパンコールを探しても不審には思われない。というか客どころか商品もあまり置いてないし店員もいない。がらんとしている。
そんなスーパーの衣料品売り場の、タイル張りというのだろうか…の床で妹の形見を探す。
一生懸命探した結果、金色で星形のスパンコールは床に落ちていた。
先輩はとても喜んでいた。
