ぬじろぐ

配布とフレンドに全力で寄りかかるソシャゲ日記

ハーモニー 読んだ

ハーモニー 伊藤 計劃/ハヤカワSFシリーズ Jコレクション

不健康なまでに健康と思いやりを押し付けられる世界。全体にわたって病院のイメージしかなかった。
このご健康な世界においてはカフェインの扱いが今の煙草くらいのものなので、もちろん酒や煙草なんてもってのほか。ヒステリックなおばさんがカフェインも規制しろと騒ぎ立てているくらい。
体に悪いものだけじゃなく青少年の健全な発育に、精神の健康に良くないものすべても規制されている。例えば暴力的な描写がある映画とか漫画とか、グロ画像とか。多分殺人の描写がある推理小説なんてこのんで読んでいようものなら、社会不適合者扱いされるだろう。
そんな真綿で首を絞めるような、押しつけがましい優しさと思いやりと健全と健康に人間が管理されている世界。

ナウシカとかエヴァとかルー・ガルーとか既に色々見ちゃってるので「あー人類補完計画ね、はいはい」みたいになっちゃうのが何だかな。
「大災禍の後の人類」とか「管理される人類」をもっと突き詰めるとみんなこうなるんだろうか?
SFあまり読まないからSFとしてどうなのかは分からんけど面白かった。
人間は貴重なリソース。

一部百合だという話が出回ってるようですが、特にそういう描写ない…と思うよ…?「お優しい世界への反逆として自殺を試みる少女たち」が概念百合という解釈はできるかもしれませんが。
概念百合なら桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」とか「少女には向かない職業」あたりが同系統かなあ。