ぬじろぐ

なるべく配布と低レアで頑張るFGO攻略日記とかその他諸々

晴れた日の林檎

1

神社、いくつもの赤い鳥居、丘の上の祭壇
  晴れた日。行く時は何もいなかった。帰りは、

2

庭の木に林檎がなっている。
丸くて大きい林檎ではなく、品種改良される前のような小さくて形も歪な、林檎のような実。
本当に林檎かどうかはわからない。けれど、多分みんな林檎だと思っていて、林檎を独り占めしているケチなやつだと悪口を言ってくる。
そして、毎日のように林檎を盗んでいこうとする奴がいるので困っている。

別に、人にあげるのが嫌だというわけではない。
ただ、盗んでいくという行為が嫌なのであって、言ってくれればあげるのに、と思っている。
庭の林檎はそんなに沢山なっているわけではない。とはいえダンボールを一杯にするくらいはあるのだし、あまり美味しくなさそうだから自分で食べる気にもならないから別に惜しくはない。
なんで、欲しいなら下さいと言いに来ないで盗もうとするのだろう?それが分からない。

晴れた日。
女の子が来た。女の子はすぐに帰った。
次に、男の子が来た。男の子は、妹が病気で、林檎が食べたいと言うから庭の林檎を譲って欲しいという。
そんな理由がなくても、ただ欲しいと言えばあげるのになあ、と思いながら「いいよ」と言う。
そうして庭を見ると、さっき来た女の子が林檎を盗んでいた。その女の子は、男の子の妹だった。病気というのは嘘で、男の子が話をして気を引いているうちに林檎を盗むつもりだったらしい。
そんな作り話をしなくても、言ってくれればあげるのに。
余計なことをしたお陰で、兄妹は林檎を手に入れそこなった。