ぬじろぐ

メモです。

ゴジラ 星を喰う者 見てきました

なんかもう、言いたいことはtwitterでみんなが言ってくれてるから別に書かなくてもいいんじゃないかなと思ったけど一応メモしておこう…
1部2部、小説、パンフは見てます。
小説は読んどいた方がいいかな…映画見た後でもいいですが。映画でやってる部分が、前日譚の小説ありきの内容なので…怪獣が初めて地球に現れたあたり〜人類が悪あがきし、敗北して宇宙に逃げるまでは全部小説で描かれてます。メカゴジラの話も。
あと、これから見に行く人は、パンフ買ってくれ。そしてインタビュー読め。私が腐女子だからそう見えるんだ、一旦落ち着こう…と思ってパンフ見たらウワァァァってなったから。

  • こうなるのはわかってただろ、虚淵脚本だぞ。
  • 2部はビルサルドのおかげでSFっぽさがあったけど3部はもはや異世界ファンタジー
  • 予想通りなんだが、ここまで予想の通りにやってくれるとむしろ清々しい…
  • だから櫻井孝宏の声のやつを信じるなってあれほど言っただろ…とはいえ高次の存在である我々視聴者は櫻井孝宏の声が出た時点で「あっこれヤバイやつだ」と分かるけど、ハルオやアダムたちは2次元の存在だから分かんねえんだよなぁ…そうか…これが次元の違いか…(多分そういうことではない)
  • 好きなシーンはアラトラム号がギドラに巻きつかれて時系列ぐちゃぐちゃになったブリッジでオペ子が「ブリッジの生体反応消失…私たち、もう死んでる…?」って呟くシーンです この絶望感、最高
  • マーティン博士が唯一の癒し、そして助手くんが本当にジョッシュくんという名前だった衝撃(これは私がちゃんと見てなかっただけ)
  • 博士はずっと楽しそうだったね…彼は今作のメインキャラの中で一番普通の人だと思うんだよね。全部終わったと思った頃に無邪気にナノメタル持ち出してきちゃうのも、普通の人間あるあるだと思うんですよ。目の前に可能性があると試さずにいられないのがオタク…その結果どうなるか、とかあんまり考えない。あっこれできる!と思ったらやっちゃう。ヴァルチャーがなくなってることに気づいたらガッカリするかな。自分を責めるかもしれない。でもその後はハルオの意図を察するだろうし、適応能力高いからフツア族に馴染んで元気に生きてそうだなぁ…いやあ博士が生き残ってよかった…スピンオフで博士の話やって欲しいくらい博士のキャラ好きです。「あれから一ヶ月…ここの生活にも随分慣れた」とか言って日常編に突入してほしい
  • ゴジラだけどゴジラ映画じゃないんですよねこれ。ゴジラはただの舞台装置というか。1部で地球人とビルサルドとエクシフが力を合わせて戦ったと見せかけて、2部は実質 地球人vsビルサルド の思想のぶつかり合いで、3部では地球人vsエクシフなわけで。特に今回、死生観と人間性とは何かの話がほとんどでゴジラとかほぼどうでもいい。まあ、異星人なんだから根本的な思想が違うのは当然なんですよね…
  • 2部でハルオは人間性を捨てきれなくてゴジラを倒せなかった。3部ではメトフィエスは(おそらく本人も意識していない)人間性ゆえに失敗した。テレパスまで使えるならハルオがなに考えてるかなんて全部わかるし、思い通りに操るなんて簡単にできたはずなのに、ハルオが拒絶したことであんなに動揺するくらいだからね…
  • メトフィエスも概ね予想通りというかそれ以外ないだろという感じだったけど、実際に櫻井孝宏の声がついた時の破壊力がヤバイ。なにこの終末思想宗教勧誘映画。なんでメトフィエスが若くして(地球人換算で25歳)高い地位にいるのかって声のせいだと思うんですよね。もはや洗脳の域ですよ。帰ってきてからミッフィーちゃんとシルバニアファミリー見て上書きしました。上書きしきれてない。
  • つまりこれはメトフィエスによる壮大な光源氏計画だったんだ…!というのもあながち間違ってない。いやーやっぱハルオに執着しすぎたのが敗因だったと思うよ…よくある敗因だよ…愛がでかすぎたんだ…白くてデカい櫻井孝宏キャラは愛情が回りくどくい説…
  • けど、どの時点で目をつけたんでしょうね…人間のこともずっと前から人間自身よりも知ってる発言、まさかハルオが生まれた時から、下手すると生まれる前から目をつけていたのでは…いやまさかな…でもあいつらゲマトロン演算とかいう未来予知みたいなの使うじゃん…そして実年齢50歳でしょ…あり得なくはない…
  • メトフィエス、ハルオの記憶のどこにでも出てきそうなんだけどあれは意図的にどこからどこまでメトフィエスが植え付けた記憶なのかわからないようにしてあるそうで。ハルオのお父さんとお母さんが赤ん坊のハルオを見ているシーンで後ろに出てこなくてよかった…完全にホラーだぞ
  • 「…モスラは?」
  • 最後まで消息不明のオラティオ号はどうなったんだ・・・そっちの話を小説版でいいからやって欲しい


三部作通したテーマとしては、「人としてどう生きるか」で一貫しているのかな。
人間が文明を発達させることで怪獣が生まれたとされているけど、怪獣、ゴジラという名前を付けることで憎しみの象徴としての怪獣が生まれてしまったともいえるわけです。
だから、人類から文明的な暮らしを奪った怪獣の象徴である「ゴジラ」という名を、憎しみでもって呼ぶものがいなくなれば、「ゴジラ」は消え、台風や地震のようなただの自然現象と同じ存在になる…
でも、憎しみとか欲望とかそういう心を捨てたら、それはもう人間じゃないという考え方もできるんだよなあ…
ナウシカの原作でもそういう話があったんですけどね。
少なくとも、ハルオの中で育ったゴジラを憎む心は、もうハルオ自身とは切り離せないくらい一体化してしまっていたんだと思う。
同時に、植えつけられた記憶だとしても、メトフィエスのことも本当に…多分親のような意味で、好きだったと思うんですよね。
じゃなきゃ最後、ああいう反応はしないだろうし。

ただ自分が生き延びることを目的にするのでは、人間ではなく動物と同じ。
人間は、他者を生き残らせるために自分を犠牲にすることもできるし、憎しみに殉するのもある種の人間らしさなのかもしれない。
最後に、憎しみの概念とナノメタルを消滅させる為にゴジラに特攻したのは、人間として生きるのをやめたからではなく、最後まで人間らしくあろうとした結果だと解釈しています。
ハルオの行動が功を奏してかフツアの文明は進歩してないように見えるけど、もし文明が芽生えてしまったら、モスラが目覚めて彼らを滅ぼすのかなあ。

…とかいろいろ考えるのが好きな人(あと櫻井孝宏を存分に浴びたい人)には向いてますが、客観的に見ると映画としては微妙だなあという気がしないでもない。
ほぼ抽象的な映像と櫻井孝宏の語りだからね…母船がギドラに襲われるところが盛り上がりの最高潮だった…
あと、今作は怪獣プロレスはやりませんと最初から言われているのでそこは最初から期待してませんでした。
ゴジラVSギドラの戦闘シーンは杉田…じゃない、マーティン博士の実況があるから辛うじて何が起きてるのか分かりますが、これもし実況無しで見せられたらアラトラム号のオペレーターと同じく「何が起こってるのか全く分からん…!」になったんだろうなあ。

英雄譚としての今作

ところで英雄が云々という話をしていたけれど、英雄になってしまったからには話が終わったらハルオは消える以外ないんだろうなと。
ヒーロークエスト考(1):「神話的な英雄」の類型 - まりおんのらんだむと〜く+


浦島太郎の最後も、竜宮城から戻ったら帰るべき場所がなくなっていて、玉手箱を開けたら鶴になって飛んでいく=神になるという結末。
ハルオにも、もう帰る場所がない。アラトラム号は爆散しちゃったし。家族も幼馴染も、メトフィエスももういないし。
ミアナ族の村に戻っても、変化をもたらしてはいけない。
変化=文明の芽をもたらしてしまったら、その先にあるのは新たなゴジラの誕生ですからね。
となればもう消えて神になるしかない。
帰る場所がなくなった英雄は死んで伝説になるしか道はねえんだ…ウッウッ(´;ω;‘)

要素だけ抜き出したら、英雄譚としてはめっちゃ王道の話だと思うんですよ。
あと、1部2部の時にもこの話したけど、人間とエルフとドワーフが手を組んで魔王と戦う異世界ファンタジーにそのまま移植しても多分違和感ない。