ぬじろぐ

メモです。

セイレムを口実にクトゥルフを布教する(セイレムの話も少しする)

FGOのセイレムをやっていて、「外なる神って何?」「クトゥルフが関係あると言われているけど何それ?」となった人に簡単に説明…もとい布教をするための記事です。
全く何も分からん人向けなので、もう知ってるよ!という人は見なくていい程度の情報しか書いてません。
もちろんがっつりネタバレを含むので、ネタバレが嫌な方は速やかにお帰りください。
いいですか?ここまでわざわざ見に来てるんだからいいですよね?

布教

ちゃんと調べてないでたしかこうだったよなみたいな感じで書いてるのと、勝手なイメージを大いに含みますので雰囲気だけ掴んで帰ってください。興味持ったら原作読むなり紹介動画を見るなりしてください。

そもそもクトゥルフって何?

大元はラヴクラフトというアメリカの作家が書いたホラー小説「クトゥルフの呼び声」です。
これを元に、ファンが設定を付け足していってできたシェアワールドクトゥルフ神話
なので、色んな人がいろんな媒体でクトゥルフ作品を作っています。
さらにその世界設定を使ってTRPGとして遊べるようにしたのがクトゥルフTRPG

神話といってもギリシャ神話やケルト神話のような伝承ではなくて、完全に創作の話という所がポイント。*1

あー、クトゥルーって言ったりクトゥルフって言ったりしてるんですが、読みが違うだけで同じものです。この記事内ではクトゥルフに統一しますね。
「ニャルラトテップ」と「ニャルラトホテプ」も同じものの別読みです。でも「クトゥルフ」と「クトゥルヒ」は別物です。ややこしいね。

TRPGのシナリオっぽいと言われてたけど、TRPGって何?

TRPGドラクエなどのRPGの祖先のようなテーブルゲーム
プレイヤーは一定のルールに従い、キャラクターを演じながら物語を進める。
サイコロジャラジャラしてるのが目立ちますが、ロールプレイがメインなので、TRPGと名がついても必ずしもサイコロを振る必要はないです。

で、色々あるTRPGの中の一つがクトゥルフTRPGなわけですが、クトゥルフTRPGのシナリオは大体「不可思議な事件の発生⇒探索⇒神話生物が黒幕であると判明⇒生還できればクリア」という流れで進行します。
探索パートで情報を取り逃すと事件の全容が解明できなかったり、下手すると黒幕も分からないまま死んだりする。
セイレムがTRPGっぽく見えるのは、日区切りで物語が進行するあたりと「どこかで情報を取り逃して全容解明できていない感」が残ってしまったからではあるまいか。

ちなみに、クトゥルフTRPGにおいてプレイヤーキャラクターは超常の存在が実在するとは知らない一般人の設定になっています。
プレイヤーはFate/stay nightの事を知ってても、藤丸くんは知る由もないのと同じ状態。
なのでメタ知識を持っていても知らない演技をしないといけないのだ…(ФωФ)

外なる神って何?

クトゥルフ神話にはいろんな神や化け物、異星人や別次元の生き物や、そんなものが色々出てきます。*2
コズミック・ホラー(宇宙的恐怖)というだけあって、基本的にスケールがでかいのが特徴。*3

クトゥルフの神は存在自体がヤバすぎるので、人間の脳みそでは理解できないし、存在を認識しただけでキャパオーバーして気が狂ったりする。(SAN値が減るとかよく言ってるのはこれ)
そんなヤバい神々にも分類があって、「旧支配者」と「外なる神」が代表的な分類。
旧支配者というのは、昔地球を支配していたとされるヤバい存在。
外なる神というのは、外宇宙にいる旧支配者より更にヤバい存在。

さっきからヤバいとしか言ってないが、「名状しがたい」「冒涜的な」がネタになる世界なので…つまり「言い表せないくらいヤバいぜ!」っていうのが公式設定なので許してもらいたい。すまん。

ラヴィニアの家系は何だったのか

クトゥルフTRPGにはよく、神を復活させたがったり、召喚したがったりする狂信者がでてくる(召喚を阻止できればクリアというシナリオはTRPGでよく使われる)
ラヴィニアの家系もその類。ホプキンスに証拠として提出した象牙の書も元ネタがある。
ってかもう、今回はクトゥルフネタまみれなので、興味がある人は「ダンウィッチの怪」という作品を見てください。

なんで考察でロビンが怪しい怪しい言われてたわけ?

クトゥルフに「無貌の神」という異名を持つ超有名所の邪神、ニャルラトテップ(ニャルラトホテプ)がいるから。
セイレムのシナリオ中でもニャルラトテップらしき存在(膨れ女)の話題が出たのと、ミドラーシュのキャスターのデザインも(たまたまなのかわざとなのか)ニャルラトテップの別の姿と特徴が似ていたため、何か関係しているのでは?と疑われた。ちなみにアガルタのキャスターのときも微妙に言われてた。
ニャルラトテップ=変幻自在で神出鬼没、人間に化けて介入してくるときは美形設定の事が多い
ロビン=今回やたらと顔がいいことを強調されており、神出鬼没の逸話持ちで宝具が無貌の王…
…ね。TRPG慣れしている人がロビンを疑うのも仕方ないっちゃ仕方ない。

興味があるんだけど、初心者は何を見ればいい?

おすすめは、最近出たらしい「クトゥルーの呼び声」新訳版と、コミカライズ。

クトゥルーの呼び声 (星海社FICTIONS)

クトゥルーの呼び声 (星海社FICTIONS)

コミカライズはこのシリーズがおすすめ。

青空文庫にもあります。
ここにある「ダゴン」が、有名な「窓に! 窓に!」の元ネタです。
作家別作品リスト:ラヴクラフト ハワード・フィリップス

セイレム本編

気になったところリストアップと、自己解釈できるところだけ。

今回は下手に知識がある人ほど深読みしてドツボにはまる構成になっていたように思う。*4
主人公はクトゥルフとかメタ知識がないのだから、その視点にならないとロールプレイにはならないし、そういう意味では確かにTRPGっぽいね(ФωФ)

  • やたらとダビデ、ソロモン関連の話が多い⇒2部への布石…だったらいいなーと思うけど、単にシバを出すための伏線のような気もする。
  • カーターが杉田に似ている ⇒偶然です。多分…うん。キャラデザインのモデルはほぼ確実にラヴクラフトで、元ネタもラヴクラフトが小説で自身の分身として登場させたキャラクター。つまり、変な偶然が重なってしまっただけです
  • 猫が嫌いで追い払う描写 ⇒元ネタのカーター氏はねこ大好きなのでありえない。つまり、これは偽物ですよとプレイヤーに示している親切な誘導。そもそもの疑問なのだが、魔神柱は猫が嫌いなのか?
  • 森の中の死体⇒鍵を持ってた死体。これ、結局何なのか解決したっけ…?アビゲイルの両親夫妻でFAなのかしら。
  • ホプキンスは結局鯖なの?人間なの?⇒個人的には人間だと思うが、セイレムでは鯖でも絞首刑で殺せるくらいなので断定しがたい。というか「そういう役割を割り当てられてしまった」って時点でどちらでもあまり変わらない気がする。ボストンに問い合わせたとか、正式な書状を持って派遣されてきたとか言っているけど、セイレムの外には出られない設定なんだよね…なのに外と連絡が取れるっていうのは、TRPGでいうサブGM、KP的な立ち位置に近かったのかも。名乗っていないマタ・ハリのフルネームを呼んでいたのもGM権限で分かってしまうから。みたいな。
  • ペンダントを返し忘れた件 ⇒単純に考えるならこれを触媒にしてアビーを呼べるという予告*5
  • 深読みするなら、銀の鍵の元ネタのほうの使い道。今後レイシフトができなくなるとの事なので、銀の鍵を使って夢の国や別次元へ赴くという線はあるかもしれない。プロトアーサー、武蔵ちゃんのどっちも世界を移動してたからね…そこに更に銀の鍵(アビゲイル)実装なので、この可能性はかなり高いような気がしている。

アビゲイルは史実のアビゲイルなのか

以下、解釈というよりはほぼ妄想なんですが。
史実のアビゲイルFGOアビゲイルってだいぶ違うんですよね(まあ、魔改造されて外なる神を宿している時点で史実とは明らかに異なりますが)

史実のアビゲイルは、魔女裁判の発端となった告発者側。悪魔憑きのような行動(奇行、痙攣発作)を起こしてセイレムの魔女裁判を過熱させた。これが本人の演技だったのか、本人も意図しないトランス状態のようなものだったのかは分からないけど。

FGOセイレム中に出てくるアビゲイルは、告発どころか魔女だとされた人を庇っているし、魔女裁判のようなことはおかしい、やめてほしいと訴えてますよね。大分イメージが違うんですよね…セイレムを最後まで見ても演技には思えないし、史実のほうのセイレム魔女裁判の記憶も無さそう。ただ、何か罪悪感のようなものを持っていて、セイレムからは絶対に出て行けないという強い思い込みがある。実際、閉鎖空間になっているから出て行くことはできないのだけれど。

魔神柱も騙すほどの演技力でいい子を演じて、本性では人を陥れて処刑させるのを楽しんでました☆みたいな感じだったらキアラ並の逸材だけど最後まで本当に何もなかったし。
ラウムがあそこまで「姪尊い!リスクを冒してカルデアを介入させてもこの子だけは絶対救う!」と入れあげるほどなので、アビゲイルちゃんマジ天使なのは間違いないと思うんですよ。

自分の考えでは、FGOアビゲイルは史実のアビゲイルとは別人です。
とはいっても完全に別人というわけでは無くて、他の英霊のように「生前の人生を送る→死ぬ→生前のエピソードを伴って英霊化」というルートを辿っていないという意味。
FGOでは多分「史実のアビゲイルも演技で悪魔憑きのような行動をしていたわけではなく、シャーマン的な才能があった」という線でキャラ作りをしてるっぽい。

史実のアビゲイルであれば、「生前魔女裁判に関わる→死ぬ→魔女裁判エピソードを伴って英霊化」だけど、実際に史実のアビゲイルって英霊になるほどの何かをしたか?というとそうでもないし。

セイレムに出てきたアビゲイルは「魔女裁判に関わる前の彼女」再現体なんじゃないかなーと。
罪悪感を持っているのは、なんとなく別のルートを辿った自分の事を覚えているから。
セイレム中で何回も繰り返しているという話があったけれど、空の境界でも似たような構造の話があるんですよね。閉じた空間の中で何度も同じ日を繰り返すことである境地へ至る、っていう。
住人達は一定の期間で同じようなルートを辿って何度も死んでるわけだけれども、本人たちは覚えていない。
セイレムも何度も繰り返しているなら、もしかしたらその中でアビゲイルが生前と同じように告発者側に回ったこともあったかもしれない。

でもって、カルデアに召喚されるアビゲイルはどの時点のアビゲイルなのか?問題もある…
いくつかパターンは考えられるんだけど。

  • 1.実はセイレムのアビゲイルではない。史実のアビゲイルが英霊化したもの(大穴)
  • 2.セイレム終了後カーター氏(本物)とともに旅立ち、人生を送り、死んだ後英霊化
  • 3.セイレム終了後カーター氏(本物)とともに旅立ち、力を使いこなせるようになって自力で来た
  • 4.どのアビゲイルでもない別人

銀の鍵が出てきましたが、あれってクトゥルフ神話に登場する夢の国でも別次元でも行けるっていうどこでもドア的なアイテムなんですよ。で、アビゲイルはその銀の鍵なわけです。
つまり、通常の英霊みたいに召喚っていう手段を使わなくてもカルデアに来られるんじゃないか?というですね…
という話だったら面白いなあって事で3つ目を推したいんだけど、なんかマイルーム台詞とか聞くとそれも違う気がするんだよね…
再臨していない初期の状態だとセイレム本編のいい子なアビゲイルだけど、再臨していくと人々の疑いの心から生まれた魔女のイメージとクトゥルフの邪神に侵食された姿になっていく。しかも属性は混沌・悪。全部が融合して生まれたまた別の存在(パターン4)って感じがする。

*1:FGO内世界でも「ラヴクラフトの創作である」という部分は変わらない模様。

*2:ぬじさとが好きなのはティンダロスの猟犬とイゴーロナク

*3:人間の理解の範囲外のヤバい存在がいるとか、ヤバい存在の気まぐれで理不尽に死ぬとか、人間なんてなんとも思ってないやばい存在がいるって事に対する恐怖の種類が、理不尽な自然災害に慣れ切った多神教の日本人と、特定の宗教を信じている欧米人とでは違うのかもしれない。

*4:というか、ニャルラトテップは色んな顔がありすぎて疑い始めると何でもこじつけられるから危ない。あと、クトゥルフTRPGは最大限警戒していかないとすぐ死ぬゲームなので…

*5:これを書いている当時、まだセイレム実装直後でした。ピックアップ2で来ましたね