ぬじろぐ

メモです。議論やコメントは受け付けておりません。当方オタクの女ですので、唐突に腐ったりします。注意。

シン・ゴジラを見てきた

※レビューじゃないです。ただ語りたいだけ。あまり纏まってません。
途中まではネタバレなしです。 ネタバレしてます。

8/1に見に行きました。地元の映画館で、例によって親父と一緒です。
レイトショーで見に行くと入場料が1000円になるうえ、親父と一緒にいくと入場料を払ってもらえるのです(親の脛肉おいしいです)
さすが田舎の映画館、公開されて間もないのに人が居ないぜ…こないだのインデペンデンス・デイ リサージェンスもそうだった。

好みの違う二人の感想

さんざん言われていることなのでしょうが、シン・ゴジラは誰が見てもそこそこ面白いといったタイプの映画ではなく、好みによって全然評価が違うタイプの映画です。
実際、Twitterでは大人気で都会では応援上映なるものも行われているようですが、身の回りで面白いと言ってる人一人も出会ったことがありません…それどころか見に行ったという人にもあまり出会わない。
まあ、田舎っていうのもあるんだろうけどね…

親父の感想

オタク文化には基本的に理解がない。アメリカのSF、スターウォーズみたいなのが好き。ハードSFが好きだと自称している。パシフィック・リムはお気に召さなかった模様)
いまいち。スケールが小さい。アメリカの映画のほうがいい。話の筋が単純すぎる。*1最初に出てきたやつを倒しにゴジラが出てくるのかと思った。

藤里の感想

ラノベ読んだりゲームしたりしているヌルいおたく。おたく構文にある程度の理解を示すが特撮には特別興味はない。パシフィック・リムは面白かった)
過去のゴジラ映画は全然見ていないが、ここはこういう意図があるんだろうなという言外に語る演出が多くて面白かった。
元々踊る大捜査線TRICKのような会話のテンポが独特なドラマが好きなため、会議シーンも面白かった。もう3回くらい見たい。

追記:2017/11/12 地上波で放送されたのをTwitter実況しながら見たので、ちょっと書き直し中です。とりあえずこういう人におすすめのあたりまで。

シン・ゴジラにあるもの

  • ゴジラという虚構に対して、日本がリアルに対処しようとするとこうなるのだろうな、という災害シミュレーション。日本あるある。
  • 怪獣という概念が存在せず、誰もゴジラの存在を知らない日本。
  • むやみにテンポのいい会議シーン
  • 圧倒的な強さに対する恐怖*2
  • 真面目に働く普通の人間たちが協力して立ち向かう姿*3
  • 最終決着に使われるのが兵器ではなく、電車などの日常にある乗り物や建機*4
  • いろんなオマージュ
  • 字幕芸
  • 無人在来線爆弾」等のオタクが喜ぶパワーワード*5

シン・ゴジラにないもの

  • 怪獣VS怪獣の派手なバトル*6
  • 自衛隊、米軍によるド派手な攻撃*7
  • 恋愛描写*8
  • お涙ちょうだいな演出、「泣ける」「感動」*9
  • 主人公の足を引っ張って観客のヘイトを集めつつ主人公の優秀さを強調し、最終的に自業自得で死んで「ざまぁwww」と思わせる役の無能*10
  • 無能な政府、やられ役の無能な自衛隊*11
  • 核爆弾を持って特攻し英雄になる主人公
  • 人とゴジラが意思を通わせるシーン

こういうひとにおすすめ。

  • 裏でちょこちょこ入ってくる細かい部分を見て「察する」のが好きな人。
  • エヴァ序(ラミエル戦のあたり)が好きな人。
  • 東京在住の人*12

気を付けた方がいい人

  • 2011年東日本大震災の、津波の映像がトラウマになっている人。もろにそれを想起させる映像があるため。

『シン・ゴジラ』予告2

『シン・ゴジラ』ZIP独占取材!庵野監督のこだわり演出・歩き方・肌色・質感…初代に近づけたい!

以下、さらにネタバレが多い感想

ゴジラのイメージ

事前にあまり積極的にネタバレを仕入れずに見に行きましたが、やはり漏れ聞こえてくる情報はあるもので、なんとなーく「なるほど、エヴァなしで使徒と戦う感じなのね」と思っていたんですね。
そしたら想像していた以上に使徒だった。ゴジラがとにかくチートで、生き物としての枠を超えてる感じがが使徒っぽいといえば分かるでしょうか。最初の体液を垂れ流しながら気持ち悪い動きで這い出てくる姿、からの急速な変態(進化っていわれてるけど)、超再生能力、並の攻撃が通らない固さ、意味わからん火力。第○使徒っていって出てきても違和感ないスペックですよ。
休眠時の、飛んでいるものを自動で撃ち落とす能力なんかはラミエルを思い出します。

ゴジラは怖かった

私、国産ゴジラ見たこと無いんですよね。この前のハリウッド版ゴジラ(ムートーVSゴジラ)は見ました。更にその前のハリウッド版ゴジラは、でっかいトカゲがシャカシャカ走ってて全然ゴジラじゃないじゃん…ってなったのだけ知ってる。
で、そんな程度にしか知らない人間でもやっぱりゴジラについてのイメージって固定のものとしてあるわけで。
なんとなく「最初に人類を害する怪獣が出てきて、ゴジラはちょっと町壊したりするけど最終的には人類の敵になってる怪獣を倒して海に去っていく」的なイメージがあったんですよ。
Wikipediaを見るとゴジラ2作目以降のイメージなのかな。
とにかくあまりに有名で、特撮に興味なくてもキャラクターとしてのゴジラを知らない人はほとんど居ない。

まず、それがぶっ壊される。
めっちゃ怖い。なにこれ怖い。生物ぽくない。使徒じゃん(2回目)

作中世界では怪獣という概念がなく、ゴジラが初めて出現したという設定なので、もちろん登場人物はゴジラなんてものが存在するとは知らない。
でも観客は「ゴジラの映画なんだから当然ゴジラが出てくる」「ゴジラとはこういう姿をしていて口から放射熱線を吐く」というメタ知識を持ってしまっている。
最初に、見慣れない姿で出てくることで作中人物と観客のギャップがなくなり、「ゴジラ」という名前が付いた怪獣ではなく、「初めて見る正体不明の怪物」として見ることができる。
この演出は良かったと思う。

目的が分からないし、生物じゃない感じがするところが気持ち悪いんですよね。
放射性物質目当てに原発に向かうわけでもないし、餌を求めるわけでも、縄張り争いをしているわけでもない。
明らかに人間を害すため、それだけのための存在って感じ。
だってあの対空ビーム、何に対抗するためにあんな進化したんですか。縄張り争いするような体格の相手を想定してないでしょ。
どう考えても空飛んで攻撃しに来る航空機とかヘリを想定してるでしょ。

放射性物質と人間の業から生まれた人類の敵。
そういう意味では、原点回帰というやつなのかな。

親父の「最初に出てきたのと戦うんだと思ってた」というのも、2作目以降の「ゴジラVS怪獣」のイメージなんでしょうね。
私は全然前情報ない状態で見ていて、ゴジラ第何形態とか全然知らなかったんですが(結果的に知らなくてよかったと思う)
庵野監督だからなーこれがゴジラなんだろうなー変形するんでしょ?いつになったら直立歩行するの?って思いながら見てました。

シリアスなのになんか笑う

最初から緊迫感のあるシーンが続くのに、政治家のやり取りがコントみたいでフフッとなってしまう。
その後もどんどんシリアスになるが、やっぱり笑うシーンじゃないののフフッとなる*13
会議パートについては、岡本喜八の「日本のいちばん長い日」という政治ドラマとの共通点、オマージュが指摘されているのでそのうち見たい。

海外(特にアメリカ)が「核使ってふっ飛ばせばいいじゃんwwww」と言ってくるのは想定内でしたが、日本側は首都に核落とされたらたまらないし、ギリギリまで粘って回避しようとするところがアメリカ映画との違いだなと。
特にゴジラ放射性物質で変異して生まれた設定(昔のゴジラは水爆実験が元でしたっけ?)なので、安易に核を使って解決してしまったらテーマが根底から台無しになってしまうじゃないですか。
インデペンデンス・デイ リサージェンスを1週間ほど前に見てたから、その辺りの違いが特に印象的だった。
無印のインデペンデンス・デイでは核持ったおっさんが特攻してたし、リサージェンスのほうでもアメリカは割と序盤の方で「核使おうぜwwww」って感じだったんですよね。んで、元大統領のおっさんが核持って異星人の母船に特攻するの。
ゴジラvsムートーでも、基本、核でどうにかしようとしますよね。
ほんと、アメリカは核をちょっと強い爆弾くらいにしか考えてないと思う…

オマージュとパロディ

曲について

シン・ゴジラ音楽集

シン・ゴジラ音楽集

エヴァでお馴染みのあの曲とかあの曲とかが流れるので、台詞に集中できないという事態に陥る。
サントラ買おうかなあ。全曲試聴できます。
音質とか…音源がモノラルっぽい感じがしたし…オマージュで特撮怪獣映画の曲そのまま使ってたりするのかな…それとも地元の映画館の設備が古くてモノラルになっちゃってんのかな…と思って映画見てたんですが、いまAmazonの曲目リスト見たらオマージュですね。
あとは、エヴァでお馴染みのあの曲がいろんなアレンジでひたすら流れる。
トラック16の、巨災対アレンジが好きです。
白状すると、宇宙大戦争の曲、ずっとエヴァの曲だと思い込んでました・・・名前は聞いたことあったんですけどね・・・

画面作り

画面も、エヴァを思い出すところが幾つもあった。ゴジラの口から光線でビルがスパスパ切られるところ。
ゴジラのしっぽが町の上空を通り過ぎていく所は「巨神兵東京に現わる」で見たアングルを思い出しました。

作戦名にちょいちょい日本神話ネタが登場する

ヤシオリ作戦ヤシマ作戦エヴァ)のセルフパロディなんですかね…?
作戦内容からしてヤシオリ=ヤマタノオロチ退治に用いた八塩折の酒がモチーフなのでしょう。*14
でも、横倒しになったゴジラの口に建設機械で薬剤を流し入れてるのはなんかシュール。関係ないけど、見た目はキングギドラのほうがヤマタノオロチに似てますねw
アメノハバキリはスサノオヤマタノオロチを倒した剣だし…神話では、倒されたヤマタノオロチのしっぽから出てきたのが草薙剣です。一説には「天叢雲剣が自ら抜け出して草を薙ぎ払い、これにより難を逃れたためその剣を草薙剣と名付けた」とあるらしいのですが、凍結されたゴジラは日本復興の難を祓うための剣になるんでしょうかね…東京のど真ん中に鎮座し続けるゴジラそのものが難のような気もしますが。

メッセージ性?

序盤の会議シーンでは皮肉めいた部分が結構多かった感じ。
お役所の結論ありきの話し合いとか、想定外の事態に弱いところとか、序盤で緊急事態に直面しても前例がないとかでなかなか決められないところとか、伝言ゲームでいちいち回りくどいところとか。
楽観視して墓穴を掘るところとか。想定外の事態に弱いとか。
ああ~~日本ってそういうとこあるよね…っていうあるあるネタ的な笑いがあった。

無人在来線爆弾とかいうパワーワード

ネーミングのインパクトが強すぎて忘れそうになるけど、あるものは道具もコネも全部使った結果のヤシオリ作戦成功なんですよね。このなりふり構わなさが最高。

そして、いつも破壊されるだけの電車がゴジラに一矢報いた瞬間でもある。
おたく心の盛り上がりがやばい。
「特殊建機第◯小隊」もやばい。こういうの超好き。

そして残る謎

行方不明の牧教授は結局どうなったの?

「私は好きにした。君たちも好きにしろ」の台詞を残した張本人である牧教授。
結局最後まで謎のまま。で、ラストでゴジラのしっぽから人間の手のような形のものがいくつも発生しかかっている映像が出て終わる。
ハリウッドゴジラのように地球のバランスをとる存在というわけでもなく、意思疎通が全く不可能に見えるし、そもそも意思や目的がある生き物には見えない。外部からのエネルギー補給も不要で稼働し続けられる機械のような存在に見えるんですよね。今回のゴジラ
かといって、ゴジラが神だとは思わない。人間を試すとか、誰がそんなことをするのかというとやっぱり人間だと思うんですよ。

*1:ちなみに親父殿は大体何を見ても「話の筋が単純すぎる」「アメリカ人が好きそうな映画」と言うのであまり当てにならない

*2:巨神兵のような、世界の終わりだと感じさせるような恐怖はアメリカ版ゴジラにはなかった

*3:確かにみんな優秀ではあるのだけれど、それでもあくまで特殊能力を持つわけでもない普通の人間で、それぞれの登場人物が、その時点でできる最善の選択・最大限の努力をしている(少なくともそうあろうとしている)ところが良かった。

*4:これはゴジラに立ち向かうのが特殊な英雄ではなく「普通のまじめに働いている人たち」という所に通じると思う

*5:藤里はオタクなのでまんまと喜んだ

*6:会場にいた子供が退屈そうにしていたというツイートも結構見かけた

*7:自衛隊、米軍がゴジラに対して攻撃を仕掛けるシーンもあるが、架空の超威力兵器や見栄え重視の演出ではないため意外に地味である。全弾狙ったところに命中させている等、リアルを重視しているらしいところがオタクにとっては逆に嬉しかったりもするのだが。

*8:もちろん物語によっては必要な恋愛描写はあると思うのだけれど、「女は恋愛描写ないと見ないだろうから適当に入れとけ」というような理由でねじ込まれた場合はやはり不要だと思う。今回は美人の特使や巨災対にいる数少ない女性キャラなど、いつもならヒロイン候補にされそうなキャラクターたちに全っっっくそういう描写がなかったところを評価したい。

*9:人間がたくさん死んでいるということは直接的にはあまり描かれない。しかし、察することはできる。

*10:有能さを引き立たせるために無能を配置する、ゴジラを強く見せるために政府を無能に、自衛隊を噛ませ役として役立たずに描くという手法は使われていない。という点が良かった。

*11:そういうのを見たかったらしき人が批判しているのも見かけたため、一応書いておく。決断力が無い総理、無能な政府に見えてしまう部分が劇中に無いわけじゃないですが、現実的にいったら怪獣なんているわけないだろうって考えると思いますし…私たちが怪獣やゴジラを既に知っていて、メタな目線で見てしまっているから無能に見えてるというのもあると思うんですよね。

*12:土地勘があると、ゴジラに破壊されているのがあの辺りだと分かって恐怖が味わえると思う。地方在住の自分にとっては羨ましい点。

*13:「やったか!?」という台詞で思わず「フラグ立てんなwwwww」と言いそうになるのは私がオタクだからか・・・

*14:八塩折=ヤシホオリとも読みます。