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ぬじろぐ

メモです。議論やコメントは受け付けておりません。当方オタクの女ですので、唐突に腐ったりします。注意。

無断転載と作者詐称と盗作

ナオトPによる盗作問題まとめ - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2137438516152326601

数日前からRT回ってきてる件。
有名な人なの?ボカロ界隈関わらないので全く知らないんですが…
なんだか定期的に出ますね。いや、恒常的に存在してるのが定期的にバレる、のかな。
いつも思うんですが、引用、二次創作、無断転載、作者詐称、盗作、トレース、なんだかいろいろごっちゃにされてますよね。
自分でもよくわかってない部分あるのでちょっとお勉強がてらまとめました。

引用

引用については、いろいろ要件があります。だいたい以下を守っていれば大丈夫かと。

  • “(引用部分)”で括るなど、引用とはっきり分かる形で掲載し、引用元を明示する。
  • 引用部分はあくまで本文の従属であり、主ではないこと。
    • ちょっと難しいですが、要は引用がメインではだめということ。引用の名を借りた不当な転載・複製が横行しないためです。極端な例をだすと、レビューを書くために小説の一部(例:セリフ数行)を引用するのはOKですが、1冊まるごと引用です!として掲載するのは転載にあたるのでダメ。
  • 引用の必然性があること。これも上記と同じ、引用の名を借りた不当な以下略のためです。
  • 引用に際して改変したり表記を変えたりするのは注意が必要。どうしても仕方ない、もしくは正当な理由がない場合は改変してはいけない。改変する場合はどういう理由で変えたのかを明示する。(たとえば、異体字で表示できないため新字体にしているなど)
    • これについては引用の要件に入ってないのですが、トラブルになりやすいようなので…個人的に気をつけたほうがいいと思う部分なので、入れてみました。

二次創作

二次創作は、キャラクターや世界観などの要素を借りて新たに作品を作ること。
勘違いされがちですが、二次創作であっても作ったものについては著作権が発生します。原作者に著作権があるのは使われたキャラクターや世界観・設定であり、作品自体については作った人に権利があります。
キャラクターそのものの権利や、設定を変えた二次創作など、関係してくるのは【著作者人格権】の中の【同一性保持権】あたりでしょうか。これは 申告罪 のため、原作者が何も言わない限りはグレーゾーンで見逃されている状態。

キャラクターについては著作権だけでは保護が不十分なため、企業が商標登録で守っている場合が多いようです。著作権で保護されているのは原作の絵についてであって、キャラクターそのものについてではないため、ということかな。
私的な利用(親書)であれば特に問題はないようです。たとえば、不特定多数に公開しないことが前提の、友達への手紙に手書きで商業キャラクターを描くなどはOK。市のイベントで告知ポスターを作るためにキャラクターを使うのはアウト。って感じ?

今、非営利同人誌即売会など限定的な場面で公式に二次創作を認めるマークを作ろうということで、講談社と漫画家の方が活動をしていますね。国際的な基準として使えるマークの公募もしているようで、二次創作・同人活動をしている方はちょっと気にしておいたほうがいいかも。

クリプトン社のボーカロイド初音ミク、その他)のように、公式の規約に『非営利の活動であれば二次創作可』と明記してあるところもありますね。

無断転載
  • まずは正しい転載について。作者に許可を取り、作者を明示して転載する。引用に近い形になります。
    • 個人的な意見になりますが、「○○という目的であなたの作品を△△に載せたいのですが、良いですか?」と、転載目的、場所を伝えると親切だと思います。作り手側としては意図しない形・目的での転載は結構怖いので…
    • 作者が無制限の転載/配布を許可していない場合、注意書きをしておいたほうが良いかもしれませんね。webで無償公開されているフリーソフトや素材等も、二次配布は禁じている場合が多いです。
  • 無断転載は作者の許可を取らず、引用の要件も満たさずに他人の著作物を勝手に複製・転載すること。
    • 無断転載を指摘されると絵を紹介するとか、共有、シェアといいだす人もいますが、ただの言い訳にしか見えません。本当にそれが目的なら引用元くらいつけるでしょうし。
    • 作者が引用元を明記してくださいと言っていたのにそれをしないで転載した場合は【引用の際の出所明示義務違反】にひっかかりそうですね。これは非親告罪なので、作者じゃなくても通報できます。
    • 無断転載は単なるリソースの無駄遣いです。正しい共有方法があるのだから、それを使いましょう。転載よりよほど手間もかからず簡単なのになんでわざわざ転載するかなぁ。

作者詐称、盗作、剽窃

作者詐称は、他人の著作物をまるごとそのまま持ってきて、本当の作者ではない人を作者と偽ること。【著作者名詐称罪】になります。転載、改変、作者非明記、全部OKですよって人でもこれだけは許さない場合が多いのではないかと。
嘘ついちゃいけません、っていう単純な話ですねこれ。法律以前の問題だと思います。

盗作・剽窃は、作者詐称と同じ意味でもつかわれるけど、他人の著作物の一部または大部分をまねて自分で作ったことにすること…という意味にもなる?自分で作っている部分がある、というのが作者詐称との違いなのかな?

トレース

トレースはただの技法であって、それ自体は悪ではない。トレース元が何かによる。他人の著作物(イラスト、写真など)の場合は勝手に使ってはだめ。著作権フリーとされている素材(たいてい規約があるのでよく読みましょう)、ライセンス購入等で使用が許可されているものなら問題ない。また、自分で撮影した写真なども問題ない。他人のイラストなどを勝手にトレースして自分で描いたといって発表したような場合は盗作のカテゴリになる。

親告罪非親告罪

著作者人格権】【著作権】【出版権】【著作隣接権】は親告罪
【著作者名詐称】【出所明示義務違反】は非親告罪

転載で問題になるものの大半は親告罪(被害者本人が訴え出なければ問題にならない)のため、基本的には作者と転載した人の間の問題。
だから私も、無関係の第三者が無断転載した人をよってたかって叩くのはどうかと思います。
これに関しては、無断転載と疑わしきものがあったら作者にお知らせして、あとの判断は任せる…程度が妥当かと。
ですが【著作者名詐称】【出所明示義務違反】は非親告罪なのです。ここだいじ。人の著作物を自分が書いたと偽って転載するのは確実にアウト。

音楽の場合

画像の場合で例を考えてみたけど、音楽データの場合どうなるんだろう…

  • 無断転載は、他人の音楽データを勝手に転載すること。これは読んで字のまま。
  • 耳コピの場合は?うーん…
    • ゲーム曲の耳コピが多いのは、ゲーム曲は著作権がないから…なわけはなく、単にJASRAC管理曲になっておらず、親告罪の範囲だというのがあるんだよね。

まあ、要は二次創作と同じ黙認状態です。ですので、作者からダメっていわれたら素直に謝って取り下げないといけません。

    • ○○の曲(JASRAC非管理曲)を耳コピしました、○○の曲(JASRAC非管理曲)を耳コピしてアレンジしました。これもグレーゾーン。
    • 逆に言うと、JASRAC管理曲はJASRACに申請をして利用料を払えば使えるわけです。JASRAC管理曲でないものを合法的に使いたい場合、作者本人に許可を取らなければならなくなり、非常にめんどうです。連絡が取れなかったり、連絡してもちゃんと返事がこない事もありえます。無茶な取り締まりをしたためJASRACは悪の根源みたいに嫌われていますが、本来は便利な仕組みのはずなんですよねぇ。
  • 他人が耳コピしたデータを持ってきて、「○○の曲を耳コピしました!耳コピしたのは私です!」というのは作者詐称になるのでアウト。
  • 他人の曲を耳コピして、「この曲は私が作りました!」というのは盗作?
  • 他人の曲のメロディだけをそっくりそのまま真似して別の伴奏、アレンジを加えて、「私の完全オリジナルです!」と言うのは盗作。
  • 作者に許可を取り、同じメロディに別の伴奏、アレンジを加えて「○○さんの曲のアレンジです」と発表するのはOK。
  • 時期流行った感じがあるミリ知ら(○○を一ミリも知らない俺が歌ってみる、的なもの)これは、他人の作った曲の伴奏(オケ)はそのままで、メロディと歌詞を勝手に作って合わせて発表という感じだったかな。曲の作者たちから反感を買ったのは『1ミリも知らないとか言いながら勝手にメロディや歌詞を変えて発表』の部分じゃないでしょうか。

これ、作者が改変を許可していなければ【同一性保持権】というやつに引っかかってしまうかも。

  • いつ頃からだったか忘れましたが、ボカロ曲やイラストを投稿できるpiapro(私も使ってます)の投稿時に、オリジナルライセンスがつけられるようになってましたね。デフォルトが作者の表示義務付けの有無、改編OKかどうかだったかな。そのほかに、個別のライセンス。作者の表示義務付けが【出所明示義務】、改編OKかどうかが【同一性保持権】になるのかな?

例外

  • 発表する場所がニコニコ動画の場合、JASRAC管理曲についてはニコニコの運営がまとめて使用料を払っているので、特に作者に許可を取らなくても曲を使用したり、耳コピやアレンジ、歌ってみたなどを発表することができる。しかし、やはり「私のオリジナル曲です!」と嘘をつくのはアウト。
  • 作者が亡くなって50年以上たち、著作権が切れているものについては転載、アレンジ加工などが自由にできます。許可を取る必要もなし。出典明示の義務もなし。
  • 著作権フリーとして著作権が放棄されている素材もネットをみるとあります(詳しくは規約見ましょうね)著作権は基本的に勝手に付与されて、そう簡単に放棄できないものです。だから、著作権フリーといっても実際は「作者が許可を出しているから使っていいよ」程度の意味です。

おさらい

私的利用はOKってどこからどこまで?の話。

  • イラストをダウンロードして自分のPCに保存する。これはOK。
  • 保存したイラストをプリントアウトして自分の部屋に飾る。これもOK。
  • 保存したイラストの一部分を切り抜いてtwittermixiのアイコンに使う。これはNG。使いたければ作者に許可を取りましょう。
  • 保存したイラストを友達にコピーしてあげる。これは二次配布になってしまうのでNGかな。作者とDL元のアドレスを教えてあげましょう、が正解。
  • 注意しないといけないのが、日本の法律だと不特定多数に公開しないクラウドへの保存もダメみたい。

そして残る疑問

クリエイティブ・コモンズなんかを見るとわかると思うのですが、「転載して良い」と「改変して良い」は別々に許可を出す項目なんですね。

ふと思ったんだけど、著作権切れの作品の作者を偽った場合ってどうなるんだろう。嘘ついてることに変わりはないから、反感は買うと思うけど…

というのも、ここまでずっと見てきて、ライセンスを作者本人が設定できる投稿サイトなどでも【作者を偽って良い】というライセンスはないんですよ。【商用利用OK、著作権表示義務なし、改編OK】というクリエイティブコモンズライセンスのもっともゆるい段階のものであっても、作者を偽って良いという表記はない。
これ、作者本人が良いと言っても刑法でダメということなんだろうか。

参考

「警察の萎縮効果狙う」 赤松健さん、2次創作同人守るための「黙認」ライセンス提案 (1/2) - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/28/news093.html